2014/05/13

桜路の止まり木「杉の子」@函館

コスモポリタン・シティー函館を
函館、いやHAKODA~TEたらしめている店に、
「杉の子」という舶来居酒屋バーがある。

昭和が薫るボヘミアンな佇まいがお気に入りで、
私は密かに"桜の子"と呼んでは、
この十数年来、桜行路などで函館を訪れる度に、
止まり木に身を寄させていただいている。

その日の撮影の〆となる函館公園界隈の
夜桜を撮り終えて、谷地頭(やちがしら)温泉なる
市営の温泉公衆浴場で一日の汗を流して、
あとは市電に飛び乗れば、ほどなく函館駅前。
柳小路「杉の子」のドアをそっと開ける。

特筆すべきは洋酒の品揃えとカクテルの美味さ。
米国・桑港(サンフランシスコ)一世を風靡した
「The Ben Jonson」のバーテンダーだった私は、
日本一のBAR!と言っては、函館はおろか
北海道を訪ねる友人らにこっそり教えている。
美味カクテルとリーズナブルな価格と、
アットホームな雰囲気。ご託は何にもいらない。

昭和33年以来幾星霜、オーナーであられた
マスター氏ご夫妻と...今では麗しいお嬢さんと
凜々しいバーテンダーが率いる「杉の子」。
この類い稀な空間にたゆとう時間の心地よさは
名状しがたく、あますところ特別のものだ。

もし、風采の上がらないイデタチで、
ルビー色のビアジョッキかラムハイ(200円!)を傾けて、
手にパイプもくもくの謎の輩を見かけたら、
ぜ~ひ、「ピートマン!」とお声かけください(笑)
★函館・杉の子
http://www5d.biglobe.ne.jp/~suginoko/



















追記:
「杉の子」が少なからず支援するシネマ作品に触れておきたい。
村上春樹や中上健次と並び評されながら、不遇のまま
自死した函館市出身の作家・佐藤泰志の著作が、近年とみに
脚光を浴び再版・文庫化、また原作が映画化されている。
「海炭市叙景」と「そこのみにて光輝く」の2作品で、
現在は後者の「そこのみにて光輝く」が全国公開中!
時代が希求する命の輝きが、函館エリアを舞台に展開される。















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