2014/02/11

言葉と視覚が紡ぐ震災の記憶「リアス・アーク美術館」②

被災された学芸員が2年かけて準備した
気仙沼「リアス・アーク美術館」の常設展示、
「東日本大震災の記録と津波の災害史」。





































1点の写真、1点の被災物、1点の言葉は
ずしりと重く、命題をもって見る者に問いかけてくる。
とりわけ「東日本大震災を考えるための[Keyword]」
とし写真や被災物に添えられた言葉は、
文字量も膨大、固唾をのんで読まずにいられない。

「Keyword」として抽出された言葉は、
すべて意義のあるものばかりだが、
前投稿で上げたガレキ<被災物と並んで、
とくに感じ入ったものを抽出する。
(写メ撮りにつき読みにくいので、要点を反復します)

◯「未曾有」
























(抄)
未曾有とは「今までに一度もなかったこと」という
意味である。つまり、東日本大震災を表現するにあたって、
未曾有という表現は適切とは言えない。なぜなら、
三陸沿岸部において同様の津波災害は頻繁に繰り返されて
きたからである。1896年、1933年の三陸大津波、1960年と
2010年のチリ地震津波......それを未曾有ということはできない。
「過去最大の」という言い方ならば適切なのかもしれない。





 *震災直後に貪り読んだ吉村昭の「三陸海岸大津波」。
三陸が津波の常襲地帯であることを繰り返し伝えている。





















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◯「復興」



















(抄)
東日本大震災が発生し、半年もたたない時期から
復興という言葉は使われていた。そして被災地では当たり前のように
「復興が遅れている。復興が進んでいない」と語られ、
被災地以外から訪れる人々は「思ったより復興していない」と語る。
復興とは「一度衰えたものをふたたび盛んにすること」である。
2013年、被災から2年の現在、復旧もできていない現在、
復興などしているはずがない......。今、復興という
言葉を私たちが使うとすれば、「復興を願って、
復興を目指して、復興を信じて」という使い方だろう。
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◯「被災者・・・自己犠牲」
























・・・読み進めていくうちに、胸がギュッと締め付けられた。
2万人近い犠牲者がいて、残った被災者にしても、
自分たちの生活の保証や幸福を求めることをしないで、
地域社会の未来を優先する復旧につとめて、
この先に生まれる者たちの幸せを願う、自己犠牲の精神。

何という人間性の尊さよ♪
この学芸員の方に備わっている資質による
ところも多大だろうが、被災してなお、
こう言い切れる魂胆と見識は地域の鏡であろう。
それに引き換え我が身の卑しさに恥じ入る。
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今日2月11日は、数えて35回目の月命日であり、
あと1ヶ月であの日から3年になる。

犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、
すべての被災者に明るい未来が訪れますように。



















◎リアス・アーク美術館
〒988-0171宮城県気仙沼市赤岩牧沢138-5
Tel 0226-24-1611
常設展示「東日本大震災の記録と津波の災害史」
http://www.riasark.com/html/tunami_saigaisi.html
午前9:30〜午後5時/休館:毎週月・火曜・祝日の翌日
交通:気仙沼駅前から宮城交通路線バス「鹿折金山線」で
約25分、「リアスアーク美術館」下車すぐ。
(開館時間中のバス便数は往路復路ともに3本)

*気仙沼までの公共交通機関
1.JRを利用:東北本線一ノ関駅から大船渡線で
 約1時間30分 (1日11便・1110円)
2.高速バスを利用:宮城交通・岩手県交通バスで
 仙台から気仙沼まで約2時間30分 (1日4便・1800円)

注:JR気仙沼駅や高速バスの停留所から
被災した気仙沼の港と市街地まで徒歩25〜60分
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