2013/05/19

みちのく桜紀行 ㉙芦野公園の逆さ雪洞はモノ言わぬも


日本列島でも有数の桜の駅、芦野公園。
駅から公園までトンネルのように続く桜景色のはずが、
"逆さ"に倒置された桜の雪洞が転がっている。
「逆さ富士」ならぬ「逆さ雪洞」である。

一瞬、めまいを覚える"倒錯"の感覚が身を襲ったが、
すぐさま「桜祭り」が終わったことを察知した。

造花だけでなく、桜の雪洞にだって目がない輩、
立ち去り難くシゲシゲと眺めていると、
雪洞を撤去する車が、事務員のようにやって来る。

「ショーバイにならんかったな、今年の桜は」

駅ホームの向こうに広がる芦野公園の桜は、
人間の勝手なメジャーでいえば、二分咲き未満。
寒冷と雨天とウソ鳥にたたられても、
桜はここまで精一杯咲いて、みちのくの遅い春を終える。

人間の都合でこさえられた出店も、
祭りの賑わいの後、といった余情を醸すことなく、
今日明日にも姿を消していくのだろう。

倒置されたままのご当地の「さくらまつり」立看板の傍で、
女優さんを使ったJR東日本の桜の大ポスターが
虚ろな佇まいで、だったはずの桜の芦野公園を謡っていた。

























*芦野公園ひと口メモ
風鈴列車、鈴虫列車、ストーブ列車などのイベント列車で
知られる津軽鉄道で約25分、芦野公園下車すぐ。

☆いつかの桜旅のお供に...
「にっぽんお宝桜撮影行」(エイ文庫)
http://p.tl/Ywao

☆ピート小林と歩くこころの日本遺産「桜」
(日刊スポーツ・アーカイブ)
http://p.tl/gLuy

2011年「被災地の桜」27点が見られます。
http://p.tl/3rYt
「日刊スポーツ」アーカイブ
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