雨音と自分の足音しか聞こえない開業日から一夜、
“復興シンボル軸”なるノボリに目を射られ、
抜けるような青空が広がる地を復習のように歩く。
朽ちた店舗と野ざらし自販機だらけで、喉はカラカラ。
そう、避難指示解除は駅と周辺のごく一部のみで、
「帰還困難地域」は手つかずの状態のままという有様。
物々しい警備員とパトカーだけが目立ち、職質寸前。
時に「消滅した時間」は、私淑した奈良原一高氏の
代表作品(英名「Where Time Has Varnished」)
の仮借で、文脈は異にするが、あの3.11来、文字通り
"止まったままの時間"が浜通りの地を覆っている。
居住区域の避難指示解除は2022~23年まで待たねば
ならず、それも「帰還困難地域」の8%に過ぎない。
鉄道が復旧しても、およそ帰還に結びつかない現実。
住民らの有限の人生と避難解除までの乖離した時間に、
幾許でも想いを馳せる時が私たちにあるだろうか。
ピッカピカの駅舎に早咲きの桜がソロで咲く。
東京オリンピックは遠い世界のコトにしか思えない。幾許でも想いを馳せる時が私たちにあるだろうか。
ピッカピカの駅舎に早咲きの桜がソロで咲く。
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