台風による甚大な被害…ヒトの安否がつかめないのに、
どうして案山子の安否を尋ねられようか?
心穏やかならぬ、いたたまれぬ気持ちが交叉する中、
近場の案山子スポットを忍び足で、そっと訪ねる。
喧噪の渋谷からほど近く、桜で知られる駒場野公園、
知るぞ人ぞ知る「ケンネル田んぼ*」という一角である。
京王井の頭線の車窓からチラッと見える案山子に
気づいて四半世紀。今もって存ること自体が貴重で、
ぬかるんだ畦道を行きつ戻りつする、束の間の秋。
花眼を潤ませる、都会っ子による凝った案山子たち。
が、田に立つ以上、“Simple is best”のデンの如く、
「分身の人間を模した単純なのがイ・チ・バ・ン!」
雀たちがチュチュッとさえずりながら言っている。
雀たちがチュチュッとさえずりながら言っている。
“へのへのもへじ”顔は風雨で原型留めず、写真未満。
かかるご時世、画像①・⑧がいたく気に入り我が1票。
ギャラリーの貴方はどんな案山子がお好みかしらん?
*明治初期に来日、駒場農学校で水田土壌・稲作研究に
功績を残した「ドイツ農法の父」ケンネルを顕彰する「ケンネル田んぼ*」として100年以上も愛されている。
(問い合わせ先)「自然観察舎」(水−日) 03-3485-1754
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