2015/06/08

見て見ぬフリのマナー文化?

『じゅうぶんに豊かで、貧しい社会』(筑摩書房)
という最近の話題本の邦訳タイトルが、
この国をズバリ指摘しているようで、気になっている。

「衣食足りて礼節を知る」という言葉が、
もはや誰の口にも上らず、消え失せてしまっている今、
たがが緩みっ放しの社会はどこへ行くのか。

物質的に得た豊かさとは裏腹に、礼儀や節度はいわんや、
マナーの低下には目を覆うばかりである。
誤解を恐れずに言えば、日本人は世界の民族の中でも、
もっともかまびすしい人種に入るのでは、と残念ながら思う。

レストランなどの公共の場でグループが、始終、
"嬌声"を上げ続けようが、電車内の優先席で携帯電話が
使われ続けようが、公衆がじっと我慢の子で
無関心を装おうゆがんだ世の中になって…その病理は深い。

この私とても、ノミの心臓から勇気を振り絞って、
目撃したら声を大にして咎めていた気力も
久しく失せていたのだが、あべこべに己の情けなさを
咎めるに至って、再び、声を上げはじめている。

車内や店内マナーは言うに及ばず、行列の割り込みから、
一列横隊のカニ歩き歩道通行、自転車の信号無視・
右側通行まで…「うるさい日本のうるさい私」
なって、見て見ぬフリから脱皮せんとしているのだ。









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