2021/09/24

②つげ義春ワールド、三陸・集落の案山子

人との出会いは巡り合い...というなら、

人間の分身である案山子は、どうか。


10年近く前、三陸を走るミヤコーバスの

車窓で目を射った案山子たちの軍団。

安否を尋ねて、巡り合いの淡い期待に

陸前高田からBRTを乗り継いで南下する。


おっ!~と白んだ目ン玉が小躍りするや、

母屋から鬼の形相で飛んできた老婆が、

えらい剣幕で「指名手配!ケイサツ!」

と指を突き出し迫り来る。ま、風体から

怪しまれるのは茶飯事、シカトはできぬ。


やおらテンガロンのシャッポを脱ぐや、

「お見事な案山子!拝みに来ました」

と一礼するや、老婆は罵詈雑言を発して

裏山のほうにスタコラ遠のいていった。


一瞬、つげ義春の世界...とでもいおうか、

案山子たちのシュール&ホラー感

倍増してアップ。三陸の時雨れる夕暮れ、

案山子と添い寝できる宿あるやなしや。








































































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『カカシバイブル』(東京書籍・2009年) 

 全国の案山子、161体が載っています

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