2018/07/23

 夏の「かもめ〜る」のような大槌町

フライパンの道を歩くような灼熱が
町を覆って歩行さえままならない。

直線道路の先、遠望する町の旧役場は、
歩けど歩けども、一向に近づかない。
壊滅的な被害を受けた大槌町の旧庁舎だ。

「震災遺構」として保存か解体かを巡って
町民と首長と県の相容れない思惑で
7年半近く経つ今も揺れ動いている様は、
全国ニュースでも折に報じられてきた。
(本日7/23付の朝日新聞4面にも詳報)

バス停を間違えたかな?と思った矢先、
見覚えどころか目に焼き付いていた
剥げ落ちたコンクリートがむき出しの
建造物がドーンと目の前に横たわって現る。

システムをつくらずに、責任を放棄、
曖昧模糊にフタばかりしてきたこの国は、
いったい何をしてきたのか!と目を覆う。
住宅と盛り土と茫々とした草地が
混在する中、厳重なフェンスが空しい。

視界の先は、大槌湾にきっと聳え立つ
であろう防潮堤が蜃気楼のように見える。

小1時間ほどの歩行の間、たまらず
涼をとりに立ち寄った大槌郵便局で
目を射った夏の「かもめ〜る」葉書を
数枚ほど購入。窓口の方と交わした
何気ない会話がずっと忘れられない。

絵柄は、迷わず「くじらの親子」。
そのムカシ、山を望む大槌の浜辺に
鯨が打ち上げられて...の伝説から
「鯨山」と名付いた言い伝えがある。

一葉は、使わずに取っておこうか。
三陸ジオパーク・大槌町のキオクである。
















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