2023/01/27

③双葉に“いらっしゃいませ”が甦る日は?

荒廃した更地の中、朽ちたままの家屋・商店が

ポツンポツンと続いている。吹きすさぶ強風の中、

歩いたのは、5ヶ月前に避難指示が解除された

双葉駅周辺のわずか半径500メートルほどだが、

復興への道のりは遙か遠い現実を確認する。


人を見かけたのは新しく竣工された役場庁舎のみ。

一歩でも離れると人の息づかいなどは皆無、

すれ違うのは、せいぜい工事用の車輌ぐらいで

自らの影だけが煩わしくもつきまとっている。


職質をいとわず、今回もまた時間の許すかぎり

双葉の現在地をカメラに収める。ふと店頭の

「いらっしゃいませ」が萎びていた涙腺を焦がす。

きっと界隈のそこかしこで「いらっしゃい」の

掛け声とオシャベリが弾んでいたことだろう。


あの大震災と原発事故の前にはあったはずの

ごく普通のありふれた日常と暮らしの光景。

かけがえのない得がたい空気はいずこの彼方へ。

そう、「いらっしゃいませ」に緒を発する

喪失感は、この浜通りエリアのいずこの地にも

顕わにも見え隠れする哀切であり痛切なのだ。 














































































































































□上野―双葉(常磐線利用)

(普通)約5時間25分

(特急)約3時間10分

__________________________________

フェイスブックでも投稿しています

https://www.facebook.com/petekobayashi


0 件のコメント: