2013/06/05

豪華スイート寝台列車か、仏蘭西人の説く脱成長か。

来日中の仏の経済学者のセルジュ・ラトゥーシュ氏が
脱成長の必要性を説く中、折しもJR東日本は
「全室スイート豪華寝台列車」の2016年春の運行を発表した。
(朝日6/4付夕刊、同6/5付朝刊の掲載記事)


























アベノミクスなる語がはびこるご時勢に、
ラトゥーシュ氏が経済成長に"否"(ノン)を突きつける
取材記事が目を引いたので、結びを転載する(抄)

「まずは、洗浄便座付きのトイレを使うのをやめる。
あの水を出すための電気だけでも日本全体なら相当なもの」

「安倍首相は『日本を取り戻す』と言うが、
経済成長するのでなく『もったいない精神』を持ち、
生態系と共存する古きよき日本を取り戻さないと...」

ま、「もったいない」精神は骨の髄まで染み込んで、
はたまた「洗浄便座」なんて未来永劫ありえない私には、
耳が痛いどころか、痛くも痒くもないのだが...
どれほどの日本人が賛同してくれるだろうか!?

ひるがえって、JR東日本という金満企業体は、
約50億円もかけて新造する10両編成の豪華列車が
「震災からの復興につながる」と声高らかに謳っている。

先行するJR九州の「ななつ星」への対抗だとすれば、
金持ちの貧困な発想であり、いわんや緊急な
東北沿岸のローカル線復旧に依然ソッポを向いて、
一体全体、どこに復興があるというのだろう?

3.11以来、「つなげよう、日本。」シールを
方便のごとく自慢の新幹線に飾って疾走するに留まらず、
挙句の果ては全室スイートなる豪華寝台列車である。

テネシー・ウイリアムズの戯曲の名を借りて
「欲望という名の電車」新幹線!と揶揄してきたが、
誰もブレーキをかけないまに、この国はどこへ行く?



















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