2012/09/19

案山子ララバイ2012(vol.4-2)長野県上田市古里

(続き)

「ザ・人間案山子」"待ち人を待つ人"を
つくられた案山子づくりの名人にお会いするために、
塩田平の別所から踵を返して上田入りする。

「ゴメンナサイ、遅くなってしまって」

ひとりの名人、と呼ばせていただきたいご婦人が、
丹誠を込めてつくられた案山子たち。
待ちぼうけを食わされたのに、嫌な顔ひとつせず、
思い思いのポーズをとりながら、
風来坊の案山子ハンターを待っていてくれた"幸"。










































名人にお伺いする製作の挿話やストーリーに、
案山子たちも、耳をそば立てては瞳を輝かせている。
お婆ちゃんから語り継がれる昔話に
身を乗り出したり。かつては日本のどこにもあった
暮らしの一コマが、田んぼの前でひろがる光景。
雀たちもお米をついばむのを忘れて、魅入っている?

古きよき日本の映し姿として、忽然といる眼前の
案山子たちは、私たちに何を訴えようとしているのだろう。


           



















昭和どころか、20世紀の匂い・臭いは加速度的に消えて、
ピカピカ・ツルツルな"デオトラント日本"に
変貌するムードの中で、モノも言わずじっと耐えて
さえざえと暮らしているのは、昔も今も
案山子たちが棲息している、名もない地方なのだ。

そこにはワビもサビもなければ、テレビや雑誌などが
囃し立てる温泉も名料理も銘酒も、おそらくない。

在るのは日本人の心の奥底で、長らくの間、
かくれんぼしていた心象風景であり、原風景である。

そう、名もなく、貧しく、美しく。

ーーー裸にて 生まれて来たに 何不足 (一茶)

           ◉

★この案山子行、テレビで全国放映されます(予定)
(別シークエンス、また内容は上記の限りではありません)
▶9月19日(水)8時30分 TBS系列「はなまるマーケット」
アタマの「スゴイ人百選」コーナー(およそ10分)
_____________________
★案山子の写真160体が載っています!
「カカシバイブル」(東京書籍) →http://p.tl/A2Ne

☆もっと見る!http://p.tl/9JyN
「ピート小林と歩くこころの日本遺産 案山子」 
(日刊スポーツ・アーカイブ)

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