2013/04/24

お花見や 隣は何を する人ぞ③

世界のあちらこちらに桜は咲くけれど、
「宴」としての花見を楽しむのは、唯一日本人だろう。
韓国や米国の桜を巡って、その意を強くしている。

仙台随一の花見どころ、といえる榴ヶ岡公園。
今まで気づかなかったのかもしれないが、
「お花見」なるノボリが枝垂れ桜の並木に連なっている。
風にのって正々堂々とひるがえる様は、
「榴ヶ岡公園にやってきて花見をしなければ、
いったいぜんたい何をするの?」といった風情である。

列島のお花見名所の約1,000カ所以上を巡ってきたが、
当たり前のことをストレートにわざわざ言い切る
花見どころは、ここ榴ヶ岡公園のほかに見たことがない。

ゆるキャラなんかを使ってご当地の桜を喧伝するより、
潔いほどシンプル、かつ意表をついたようなモノ言いぶりは、
虚をつくほどに天晴れであり、一人拍手喝采した。

 














































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☆ピート小林と歩くこころの日本遺産「お花見」
(日刊スポーツ・アーカイブ)
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☆桜旅のお供に...
「にっぽんお宝桜撮影行」(エイ文庫)
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★Welcome to the bar「B」@赤坂/今週の勤務日・25(木)26(金)

「ドウミテモ アナタハ ニホンジン ミエマセ~ン!」

三神峯公園の夕暮れどき、ふと外国人の一団が
花の下に集ってニッポンの春を楽しんでいる。
訊けば、仙台で学ぶテヘランからの留学生だという。

おしゃべりの輪の中に入っていくと、曰く、
「ドウミテモ アナタハ ニホンジン ミエマセ~ン!」
と口を揃えておっしゃるので、
「ワタシ キャメラ ダイスキ ニホンジン!」と
ヘンテコな日本語で応えて、パチパチリしてあげる。

夕闇せまる三神峯公園は、雪洞もなければ
ライトアップもなく、人っ気も潮を引いたように消えていく。
ひもとけば、戦中・戦後は陸軍幼年学校を、
戦後は東北大学三神峯寮を擁した、桜の名所である。

「散りにし花は幻か わが若き日の夢なるか」
「雄大剛健」......刻された石碑のごとく、
往時、学生たちは勉学に勤しみ青春を謳歌したことだろう。
いま、学び舎に咲く桜は異国からの学生も魅きつける。

何だか仙台の桜が、いっそう誇らしく思えた。






























☆ピート小林と歩くこころの日本遺産「桜」
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2013/04/23

降る雪に 凍えながらも 咲く桜

かつてあった仙石線の東松島市・東名駅。
すっかり消滅した駅の光景の中で、
容赦なく降りしきる重たい春の雪の中にも
懸命に咲かんとする2本の桜木があった。

2011年4月22日。流失した駅の光景に、
けなげに咲く桜がある画像をしげしげと見つめる。
あれから2年、枝振りも変わらずに
そのままの姿であることに感じ入る。(投稿写真2, 3点目)

住民たちには苦渋の選択だったのだろう。
高台への移転を拒んで現地に残る
人間の希望の思いの丈を、小さな花びらにのせて、
凍えながらも精一杯咲こう、としているだ。





























雨宿りならぬ雪宿りする場があるはずもなく、
行き交うトラックが容赦なく雪飛沫をかけていく。

アタマからズックの中までズブ濡れで、
橋桁から代行バス停までの100mほどの距離が
今日だけは数百メートルにも感じる。


外気温は確実に零下に違いない。
次のバスが来るまでの1時間、
吐く息で暖をとって立ちすくんでいた。
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2013/04/22

雪化粧 泣くも笑うも ヒトの思惑

東京都心がブルブル凍えた日曜日、
仙台は気温0°度を記録して、66年振りの積雪。
"千ベロ"ならぬ千宿を飛び出して、
すってんころりん...ボタン雪が舞う東照宮へ。

徳川家康と仙台二代藩主・伊達忠宗のゆかりの地、
境内には凛とした空気が漂って、
桜流浪で弛緩したカラダの背筋がスーッと伸びる。

桜祭りには朝から賑わうはずの境内の屋台も、
地元のチビッ子が戯れる程度で、
観光客が訪ねるでもなし、開店休業の状態。

他方、大河ドラマに登場する会津の鶴ヶ城をはじめ、
有名どころを訪ねていた花見客には、
雪化粧の桜が思わぬプレゼント、と報道は伝える。

せっかく咲いている桜たちには可哀想な雪も、
すべては人間サイドの思惑に飲み込まれていく。

























☆ピート小林と歩くこころの日本遺産「桜」
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2013/04/18

起きて半畳 寝て一畳 旅の宿

「桜の追っかけ?優雅でいいですね!」とは、
初対面の人から決まって言われるセリフだけど...。

ばってん、チープシックを金科玉条とする、
人呼んで(本人は辞退するも)、"さくらストーカー"。
「青春18きっぷ」を駆使しての鈍行デッキ寝か
ステーションホテル泊(駅のベンチ寝)が、
ままならなければ、地域の最安宿に飛び込む。

理想は「ドヤ」泊。すなわち簡易宿泊所で、
浪速は西成の"カマ"こと釜ヶ崎、つまり♪アイリーン・グッナイ♪
と友人が慮って呼んでくれる「あいりん」地区の常連。
好きな銭湯にも、高校野球の甲子園にも近いので、
桜の春のみならず、デクノボーの案山子になって連泊する。

*大阪安宿
http://www11.ocn.ne.jp/~otomari/map.html

名古屋では、太閤通口に「ドヤ」宿が
細々と生き残っていて、これまた貴重なニッポンの宿。

むろん、全国には古来より「カプセル」という名の
シロモノがあり、ドヤなき?神戸なぞでは、
なんと天然温泉付の人も羨むネグラ籠が迎えてくれる。

起きて半畳 寝て一畳。他に何をか人生に望まん!































☆ピート小林と歩くこころの日本遺産「木賃宿」
→http://p.tl/FvW7
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