2020/04/09

読み方から知る「浪江」の桜、請戸川リバーライン

17年春の原ノ町―浪江間の鉄路復旧以来、
代行バスの始終点・浪江には、桜の時季は
叶わずとも、何度となく行き来してきた。

が、長く気になっていた町の請戸漁港は、
ゆうに半日かかる距離で足踏みしているが、
ふと車窓から見えた桜堤にハートが起立。
地元紙に目を遣れば、あれれ“請戸川”の字が
フリガナ!と地図付きで目ン玉に飛び込む。

ガク無き輩、読めない・言えないの桜の地が、
イキナリ、“うけど”“うけど”と宣っている。
これぞ天の助け、半日が半時間に短縮されて、
塩むすび美味倍増、うたた寝オマケ付きで
容量限界灘!の携帯レンズも生気でウルウル。

「請戸川(うけどがわ)リバーライン」何度も
口ずんでスタコラ歩く。忘れぬコツだが、
3.11から9年目の春、打ち棄てられた車輌を
“紅房桜”が心なしか優しく包み込んでいる。

我に返って、浪江の駅の方に戻り行けば、
9年越しに仙台–東京を結ぶ特急「ひたち」が、
ソメイヨシノに見送られて疾走していく。

微動だにせず鉄路を見遣る工務員がまぶしい。


























(余録・原ノ町駅近くの桜です)
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