2015/12/01

波状の美、こぼれる小屋

途端に、いや「トタン」にシビれて久しい。
ま、物心のついた頃からだから、
トタン愛は、かる〜く四半世紀を超えている。

鉄を亜鉛で覆ったものがトタンだが、
同じ鉄をスズで覆ったブリキより、
鉄より先に亜鉛が酸化するところがいい。

バケツをはじめ、たらい、ちりとり、
じょうろ、湯たんぽ...などがトタン友だったが、
トタン家に住みたいとずっと思っている。

したところ、トタン造りの小屋に
触れられると知って、先ごろ駆けつけた。
作家・川崎長太郎「没後30年回顧展」
@神奈川・小田原文学館での特別企画展である。

写真は、20年の歳月、本人が寝起きした
物置小屋を原寸大で部分再現されたもので、
波状のトタン美が横溢している。

畳二枚の上の小机は、執筆に使った
ビール箱を逆さにしたもので、灯りをとった
二十匁のロウソクが置かれている。

冬の「青春18きっぷ」をお供にして、
代表作「抹香町」で一大ブームとなった
同名の界隈から、よすがである
小屋の碑までいち早く歩かなくては。

さて、トタンの語源はポルトガル語の
Tutagana(亜鉛)と、今日はじめて知った。







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